機材紹介㉑ プロ仕様動画編集ソフト DaVinci Resolve
◆DaVinci Resolve Studio(有償版)購入編
前回の機材紹介でYouTube用4K動画編集について投稿しましたが、
今回、自身が運営するYouTubeチャンネルURail 4K Channel
“ヨーロッパ鉄道の旅”のチャンネル登録1000人を達成できましたので、
プチご褒美として以前から気になっていたプロ仕様のDaVinci Resolve Studioを購入しました。
無償版のDaVinci Resolveは、これまでも映像素材のカラーグレーディングと手振れ補正に使用しており、
有償版と同じ高品質な処理ができるので、今後も問題なく使用していくつもりでした。
ところが、編集する作品によって処理速度に問題が出てきたため、奮発して有償版を購入する経緯となりました。
それでは、問題が出てきた処理速度について説明したいと思います。
現在自身のYouTube ” URail 4K Channel “のチャンネル内で「ヨーロッパ鉄道の車窓だけ」シリーズを
制作しており、タイトル通りひたすら車窓を眺めるだけのマニアックな内容なのですが、走行中の映像のため尺が平均30分になります。
余談になりますが、車窓撮影の方法はパナソニックの4Kウエラブルカメラにサクションカップマウントを使い、列車のテーブルや窓枠部分に吸盤型アタッチメント装着し撮影しました。
ウエラブルカメラは本来アクションカメラ用途なのでかなり広角で歪んだ映像に撮れてしうまため、各映像クリップを補正する必要があります。
また素材の色も気になりだしたりしてきたので、DaVinci Resolveのカラーグレーディング(色補正)を使うようになりました。
これまでの作品はヨーロッパの訪問都市をそれぞれ10分程度のダイジェストとして編集していたので、映像に書き出す時間もそんなに気になりませんでしたが、さすがに4K素材を30分以上編集・書き出しに要する時間は膨大です。
この4K素材を30分以上を書き出す際に致命的な問題を抱えることになりました。
実は無償版のDaVinci Resolveの機能制限として、映像書き出し時のエンコード処理はNVIDIAやAMDのグラフィックスの処理能力を使った高速エンコーダーが使えません。
すべてCPU処理のみになります。
ご存じの通り、コンピューターの頭脳CPUとグラフィックス処理GPUでは、処理する得意分野が違うのですが、
映像の書き出し(特に4K)エンコーダーとしては圧倒的にGPUが高速に処理できます。
これまでの短い尺のクリップだったので、カラーグレーディングして書き出す時間もあまり気になりませんでしたが、さすがに長尺のクリップでは待ち時間に限界を感じてきました。
時間はお金で解決するものと言い聞かせ(笑)。
またフルスペックのDaVinci Resolve Studioでに搭載されるエフェクト(特にスローモーション)に興味もあったので、次のステップに進むつもりでアップグレードしてみました。
前置きが長くなりましたが、DaVinci Resolve Studio(有償版)のエンコーダー機能についてご紹介します。
処理速度の比較から。
※比較テスト1 書き出し(エンコード時間)
DaVinci Resolve Studio(有償版)ではデリバリーメニューのレンダー設定→ビデオの書き出しの項目に
「エンコーダー」の項目が追加されます。
無償版 有償版
通常は「ネイティブ」になっていますが、高速化するためにはプルダウンで搭載しているGPUのエンコーダーを選びます。
私の場合はNVIDIAのGPUを使用しているのでエンコーダーは「NVIDIA」を選びます。
サンプル素材は4K 24p 2分の映像クリップ全体ににオートカラコレをかけています。
サンプルプロジェクト↑↑↑↑↑
テストに使用した機材のスペックは下記になります。
CPU: Ryzen7 8コア16スレッド
GPU: GTX 1660 SUPERを搭載しています。
作業ストレージM.2 NVMe SSD。
比較結果 (比較ムービーでご確認ください)
DaVinci Resolve(無償版)エンコーダー無し→3分40秒
DaVinci Resolve Studio(有償版)エンコーダーあり→44秒
処理速度は5倍の差がつきました。
ちなみにタスクマネージャーで確認すると。
DaVinci Resolve(無償版)では100%CPU処理になっています。
DaVinci Resolve Studio(有償版)ではGPU処理が92%でCPUは20%弱でした。
この処理方法の違いが5倍の時間短縮につながったようです。
DaVinci Resolve Studio(有償版)の価格は税込み¥37,378で、今流行りのサブスクリプションとは違い
永久ライセンスで、なんとメジャーバージョンアップにも対応してくれます。
編集ソフトとしては多機能で、編集、カラーグレーディング以外にもVFX合成、モーショングラフィック機能の「Fusion」やDAWデジタルオーディオの世界で有名なFairlightも搭載しているので、プロ仕様としてはとてつもなくコスパが高い製品です。
私のように使用用途が限られた(限りなく素人)ユーザーでも、使用してみて納得の価格だと思いました。
まだまだ、DaVinci Resolve Studioのほんの一部の機能しか使えていませんが、のんびりと使いこなせていければと思います。
次回は有償版で優れた機能の一つのスローモーションを紹介します。