機材紹介⑲ モバイルノートPC DELL XPS 13 中編
◆撮影素材のプレビューと現場編集用PCについて
前回の開封レビュー編に続き、DELL XPS 13〈9300〉を使用しての4K動画編集の使用感について紹介します。
利用用途は 当サイトが運営するYouTubeチャンネル“URail 4K Channel ヨーロッパ鉄道の旅”の編集用PCとして、素材収録~管理と、旅先での簡易編集を検討しています。
“URail 4K Channel ヨーロッパ鉄道の旅”
扱う動画の素材はすべて4K で収録しますので、4K素材をある程度ストレスなく扱えるスペックが要求されます。
候補としてGPU搭載クリエイター向けノートPCを検討しましたが、2Kg程度の重量と本体サイズがどうしてもネックになります。
旅先へ持って行くことを重視した結果、携帯性も兼ね備えたモバイルノートPCとして、DELL XPS 13〈9300〉を選びました。
マシンスペックは第10世代 インテル® CoreTM i7-1065G7 プロセッサー搭載しています。
GPUは搭載していません。しかしながら最新の1065G7 プロセッサーにはインテル® Iris Plus グラフィックスが内蔵されていますので、グラフィック性能は、従来のUHD Graphicsよりも格段にアップしています。
(ベンチマークはGeForce MX250と同程度のスペック)
それでは私のワークフローに沿った、DELL XPS 13〈9300〉の動画編集について報告したいと思います。
撮影(4Kカメラ)
撮影カメラはメインカメラがソニーα6300(右)と、街歩き用 Feiyu pocket(中央)、そして車窓撮影用にOsmo Action(左)の3カメ体制。
α6300の記録モードはXAVC-S 4K 、Feiyu pocketとOsmo ActionはMP44Kです。
旅のイメージとしては、撮影後ホテルに戻りPCに素材を取り込みます。
取り込みソフトはSony PlayMemories Homeを使用します。カメラのSDカードをマウントするとソフトが起動します。
サムネイル映像を選び(すべて選択)取り込み開始ボタンを押すとPCに取り込みが行われます。
取り込まれたファイルは日付毎に作成されたフォルダ内にはいるので、管理も簡単にできます。
(Sony PlayMemories Homeインターフェース)
PlayMemories Homeはフルーソフトですが、素材のプレビューや簡易編集。動画から静止画の切り出しが可能。またタイムラプスムービーの作成も行えるので、旅先のホテルで取り込むみ行いながら、OKカットとNGカットの切り分けを行う予定でした。
(保存用のポータブルHDD)
DELL XPS 13〈9300〉上においてPlayMemories Homeの操作レスポンスについて。
取り込みから、4K素材のプレビューまでスムーズに運びます。また簡易編集(素材のOKカットとNGカットの切り分け)も問題なく動作します。
しかしながら、旅先で一日当たりに収録する素材が100本以上になるため、大量の素材を素早く編集する用途には向いていませんでした。
よってPlayMemories Homeは素材取り込み、素材管理をメインにして、オプション的な使い方としては“動画から静止画の切り出し”と“タイムラプス作成”用途に割り切った使い方にしました。
(特に“動画から静止画の切り出し”機能はすごく便利です)
次に素材カット編集ソフトのご紹介です。
TMPGEnc MPEG Smart Renderer 6
映像をできる限り高速に、詳細にカットすることをコンセプトに設計された映像編集ソフトウェア。
特徴は、編集箇所(映像のカット点)以外は可能な限り無劣化で出力する「スマートレンダリング」機能により、エンコード範囲を極小に押さえ、高速、短時間での出力を実現します。
またカッティング専用ツールとしてシンプルなインターフェース
なので、マウスで簡単にカット編集が可能です。
特に便利なのは、クリップのタイムライン上をマウスの左右クリックで早送り、巻き戻しが出来ます。
タイムラインの中心にカーソルがあり、カーソル前後をクリックでサムネイル映像を確認しながら、瞬時にサーチが行えます。(これがすごく便利)
センターポジション近いところをクリックすると低速、離れたところをクリックすると高速にサーチします。
高速サーチでも映像は追随してくれるので、これが直感的でわかりやすい。
これまでは、性能の問題から旅先での編集はあきらめて、HDDにすべての素材を取り込んでいました。
そして帰国後にデスクトップPCで素材確認&編集作業をしていました。
デスクトップPCのスペックはCPU:Ryzen 7 1700、GPU:GeForce GTX 1660 SUPER、作業ストレージ:M.2 NVMe SSD.
CPUは第一世代のRyzen 7 8コア16スレッドですが、GPUは最新のGTX 1660 SUPERを搭載しているので、Smart Rendererを使用するのに十分なスペックです。
DELL XPS 13〈9300〉にデスクトップPCと同レベルのレスポンスは求めていませんが、Smart Rendererをどれだけ使えるかを検証してみます。
結果的に第10世代 インテル® CoreTM i7-1065G7 プロセッサーとインテル® Iris Plus グラフィック組み合わせでのパフォーマンスは、タイムラインの高速サーチにも頑張って追随してくれます。
(タスクマネージャーではCPUは100%、GPUは30%~40%の占有)
内蔵ストレージM.2 NVMe SSDも良い影響になっていると考えられます。
Smart Renderer使用にあたり一番気になった、8倍速程度の高速もプレビュー問題なく走ります。
5分ぐらいの長尺クリップも結構多くあり、高速サーチを多用して使いどころを決めますが、
もっとも心配していたレスポンスもこれなら問題なさそうです。
これで現場での素材の切り出しが用意になりました。
デスクトップPC比較でも大きな差を感じさせないので、夏場は自宅で編集する時もノートPC+セカンドモニターでの使用が増えました。
夏場のデスクトップ使用は排気からの熱で部屋が暑くなりますし、電気代もかかるので、DELL XPS 13〈9300〉の出番が益々増えそうな感じです。
今回の作業で、素材選びからカット編集まではノーPCで対応出来ることが確認できたので、次回は4K作品編集~YouTube配信にチャレンジしたいと思います。